人は1日では太りません
正しくは、人は1日では、たくさん太りません。

30歳を過ぎて、体重が・・・
というパパ・ママもいらっしゃると思うので、まずここからおさえていただきたいと思います。
・10代の頃と比べると徐々に太ってきた
・ダイエットが続かない
・日々の体重変動に一喜一憂している
・私は1日で1,2kg太る才能を持っていると思っている
・日々の体重変動に一喜一憂しなくなる
・長期的にダイエットを続けることができるメンタルになる
・計画的に体重コントロールができるようになる
1kgの体重を落とすには
まずは、1kg体重を落とそうとした場合、ざっと7,000kcalを消費する必要があるというのが定説です。
参考:独立行政法人国立健康・栄養研究所 健康・栄養フォーラム
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/hn/modules/smartfaq/faq.phpfaqid=1064.html
(参照日2021-1-18)
体重にもよりますが、フルマラソン(42.195km)を3回くらい1日で走るくらいでしょうか。
ええ、一般の方ならまず無理です。
逆に1日で1kgの脂肪を増やそうとした場合は、7,000kcal摂取する必要がありますので、
1杯1,000kcalのカツ丼ならば7杯です。
これも、一般の方ならかなりの苦行です。
この話をすると、

『いやいや、私は1日で2kgくらい太れます』
と、切り返されることがありますが、これは水分量の変動のお話です。
体重変動の原因
ここからが今日のポイントです。
この水分量の変動をしっかり理解しておくと、日々の体重の変化に一喜一憂しなくなります。
私たちの体の約60%は水分です。
日々の体重の変動は、ほぼほぼ水分量の変動であり、脂肪の変動ではありません。
具体的には、私たちの体の水分量に大きく影響を与えるのは、
男性の場合は、
①グリコーゲン ②塩分
以上の2つです。
女性の場合はさらに、
③月経周期
が加わります。
①グリコーゲン
グリコーゲンってご存知ですか?
グリコーゲンを理解するには、
まずグルコース(ブドウ糖とも言う)を理解する必要があります。
白米やパンなど炭水化物を私たちが食べると、体の中で消化吸収を通して、最終的にグルコースとなります。
このグルコースは私たちのエネルギー源として使われるのですが、食べたらすぐに使い切るわけにはいかないので、
筋肉や肝臓にグリコーゲンとして体に蓄えるようになっています。
グリコーゲンは、体格差がありますが、肝臓に90~150g、筋肉に100~400g貯蔵することができます。
さらに貯蔵したグリコーゲン1gは水3gと結合するので、グリコーゲン300~400gを補給増加すると900~1,200gの水をともない、体重として1,200~1,600gが増加する計算となります。
つまり、グリコーゲンが枯渇している状態と満タンな状態では、1、2kgの体重の増減が起こるということです。
参考:独立行政法人農畜産業振興機構 スポーツ選手の食事法
https://sugar.alic.go.jp/japan/view/jv_0106b.htm
(参照日2021-1-18)
②塩分
専門的な言葉を省いて説明をすると、塩分は体に水をため込む作用があります。
しょっぱいものを食べた後に、喉が乾く経験を皆さんしたことがあるかと思いますが、それは体に貯まった塩分を薄めようとする人の生理的反応です。
具体的には、約1gの食塩に対して、約100mlの水分をため込みます。
10gの塩分を摂れば、約1kgは体重が増えるということです。
この2つを理解していると、日々の体重変動がほぼ水分量の変動だということが理解できます。
私自身このことを理解していない10代、20代前半はなんどもダイエットに挫折しました。
パターン①
ダイエットを開始、すぐに体重がストンと落ちたが、そこからなかなか減らなくなる。
友人に誘われ、ラーメンを食べた次の日の体重はなんとダイエット前の体重まで戻ってしまい挫折。
パターン②
2泊3日の旅行。
旅行中ぐらいと思い、あまり制限せずに食を楽しみ、帰宅後体重を計ると2kg以上の増量。
自分はなんて太りやすいんだ、痩せるのなんて無理と挫折。
パターン①の解説
ダイエット開始当初は、ストンと体重が減りますが、それは脂肪が減ったのではなく、ほとんどがグリコーゲンの枯渇による影響の場合が多いです。
その後、なかなか落ちなくなるのは、それが本来の体重が落ちるスピードだからです。
そのタイミングで塩分が多くて、炭水化物たっぷり(グルコースたっぷり)のラーメンを食べれば、グリコーゲンが補充され、塩分もたっぷりなので、1kgくらい体重が戻ってしまいます。
ここで多くのダイエッターは、

あんなに頑張っていたのに、1日でリバウンド。
私は痩せることができない体質なんだ。。。
と、心が折れます。
パターン②の解説
旅館やホテルの食事は、汁物がたくさん出ますし、ご飯が美味しくて、おかわりをしてしまいがちです。
翌朝もお腹が減ってなくても、がっつりご飯のおかわりというパターン。
パターン①と一緒ですが、グリコーゲンも塩分もMAXとなり、2泊3日で2、3kgくらい体重が増えますが、すべて脂肪ではないです。
特に私はこの旅行による増量に心をやられていました。
これがわかっていれば、旅行の前後で調整すれば、旅行も楽しめて、体重もコントロール可能です。
③月経周期
女性の場合は、上記に加えて月経周期が体重変動に影響をします。
月経周期に連動し、体重変動が生じる場合もあります。今回行ったアンケート結果からも43%の人から月経前に体重増加があるとの回答を得ました。黄体期に増加するプロゲステロンには体への水分貯留作用があると考えられます。
引用元:国立スポーツ科学センター(JISS)女性アスリートのためのコンディショニングブックhttps://www.jpnsport.go.jp/jiss/Portals/0/info/pdf/josei_athlete_conditioning_book.pdf
多くの方は、月経前から体重の増加がありますが、体内の水分量の増加による体重変動なので、月経後に水分が排出されれば、体重は戻ります。
体重変動の原因まとめと実践
以上のことから、日々の体重の変動には惑わされないことが、心の安定を保ち、長期スパンでダイエットを継続する為に必要な知識となります。
日々の体重に一喜一憂する必要はありませんが、
私は毎日の体重を測定することはおすすめします。

毎日の体重変動は意味ないんでしょ?
と、思うでしょうが、毎日の体重変動ではなく、
グラフ化して変動を確認する必要は大いにあります。

ギザギザと日々体重は変動していますが、1ヶ月で見てほどんど変化がないのがおわかりになるでしょうか。
年末年始を見ると、毎日昼間から飲みながら、おせちなど塩分が多い料理と、おもちでグリコーゲンを蓄えていたので、しっかりと体重が増えています笑
しかし、これもすべて脂肪による増量ではなく、水分量の変動に過ぎないので、数日で落ちています。
このように、減量中なら少しずつ下がっているか確認をする為に、日々計ることが大切となります。
また、徐々に太っていることに気がつく為にも、日々の体重計測をおすすめします。
実際に、コロナ禍で徐々に太っていたが体重を計る習慣がなく、気がついたら5kgも太っていたという話を最近耳にします。
体重計が家にないという方は、今すぐ買いましょう。
おすすめな体重計
個人的には高価な体脂肪測定付きは必要ないと思っています。
タニタさんもこのように書いています。
体組成計は正しい使い方をすることで正確に計測をすることができます。 体組成計は生体電気インピーダンス法に基づき、体組成計の電極から微弱な電流をからだに流し、その電気抵抗値から「脂肪」や「筋肉」などの体組成を推定しています。このため、体組成の計測値は計測のタイミングや体調等によって変動がありますので、計測は常に同じ時間・条件で計測することが大切です。細かい変化にとらわれず、長期的な変化傾向をみることをお勧めします。
引用元:TANITA 正しい体組成計の使い方
https://www.tanita.co.jp/health/detail/38
(参照日2021:1:18)
脂肪はほとんど電気を通しませんが、筋肉などは電気を通しやすいという特性を利用し、微弱な電気を体に通し、あくまでも推定して出しているものです。
体内の水分量など計る時の条件で、変動してしまうものなので、正直毎日計る必要はないと思っています。
※もちろん年に何回か計って、参考にするのはありです。
それよりもBluetooth機能付きで、専用のアプリに体重グラフを作ってくれるものを私はおすすめします。
大切なのは、いかにハードルを下げて、毎日体重を記録する習慣を作るかです。
私はこちらを使っていますが、
1年以上問題なく使えています。
全く参考にしていませんが、体脂肪測定機能もついてます。
これじゃなくてもBuletooth機能さえついてれば、なんでも良いと思います。
体重を測定するタイミング
体重は毎日同じ条件で計ることをおすすめします。
特に変動が少ない、毎朝トイレ後(小でも良い)が一番おすすめです。
夜だとその日の食べた量でかなり変動が出るので、朝にできればパンツ一丁(難しければ同じパジャマなど)が完璧です。
まとめ
体重をコントロールするのに大切なのは、気合と根性ではなく、
正しい知識とメンタルコントロールです。
今回説明させていただいた理論を理解していないと、どうしても毎日の体重に一喜一憂してしまい、体重コントロールを長期で行えず、諦めてしまう方が多いです。
管理栄養士として指導する際には、必ずこの理論を最初に理解してもらうようにしています。
まずは毎日の体重測定を習慣にし、毎日の体重変動に一喜一憂せず、長期スパンで体重コントロールに挑戦してみてください。
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